「ペットロス」。
ペットを飼うと必ずやってくるお別れの時。
いずれ来ると分かっていながら、いざいなくなってしまうと寂しさのあまり何もしたくなくなってしまいます・・・。
それがペットロス。
私が経験したペットロスとその克服法をご紹介します。
散歩から帰ってきてウチの前まできたらお隣さんのヤンキーなママさんと出会いました。
なぜかウチの犬を見つめてヤンキーママは立ち止まりその場にしゃがみ込み、犬の頭を撫でまわしています。
ヤンキーママは、数年前にお隣に引越してきて一人で中学生と小学生の男の子ふたりを育てている頑張り屋のシングルマザー。
ヤンキーママは金髪で何となく尖がっていてちょっと怖いのでご挨拶するくらいでご近所付き合いはしていません。
それがしゃがみ込んでウチの犬の頭を撫でているのでいつも違うなぁと思いました。
「何歳ですか?」とヤンキーママが話しかけてくれました。
「もう6歳なの。そうそうマルちゃんお元気?」
マルちゃんはヤンキーママの家のミニチュアダックス。
「マル、今朝亡くなってしまったんです。」
「うっそー、いくつだったの?」
「16歳です。長男が15歳なんで先輩なんですよ。長男より長い付き合いなんですよ。」
ヤンキーママの目はウルウルしています。
話しながらヤンキーママは悲しさを紛らわす様にウチの犬の頭を撫でまわしています。
あーブラッシングしたけどまた毛玉になるな~と思いながら話を聞きました。←
「ご飯が食べれなくなったからもうダメだなって思っていたんです。今朝、呼吸が変だったので慌てて子供達起こしてみとったんです。」
ヤンキーママの目はウルウルしてただの優しそうなお母さんでした。
「16歳の子供を亡くした様なものだもんね」
「そうなんですよ。」と言葉を詰まらせてしまいました。
「犬の気配がするのよね。しばらくは辛いよね。ご愁傷様ね、心をお大事にしてね」と言って別れました。駐車場に向かうヤンキーママの後ろ姿はとても寂しそうでペットロスにならなければいいなと思いました。
ヤンキーママにとっては子育てや離婚さえ共に乗り越えてきた愛犬で、失って凄いショックだろうなと思いました。
ウチの犬も2代目で6年前に先代のミニチュアシュナウザーを亡くしました。
その当時、我が家はペットロスになりました。週末は遅く起きて散歩する事もなく、主人は仕事への意欲がなくなりお菓子ばかり食べていました。
家中が怠惰になり主人も私も太り始めました。先代の犬も16歳で子育てしながら海だキャンプだと連れて行き、人間より良くできた犬でした。
ペット用の葬儀社に行き火葬しましたが、上っていく煙を見上げ人間と同じだなと思いながら見上げ涙ばかり拭いていたのを覚えています。
ペットロス克服法
我が家のペットロスを治したのはやはり犬でした。
こんな事では、いけないと家族会議をしてまた犬を飼うと決めましたが、良い仔とそうそう巡り会えませんでした。
家族は犬の毛のアレルギーがあり毛の抜けにくい犬種でないと飼えないのです。
飼えてもミニチュアシュナウザーやトイプードルあたりでないと咳や鼻水が出てしまい無理。
主人はトイプードルの可愛い感じが受け入れられずミニチュアシュナウザーを探したのですがドラマ出演で人気が出てしまい当時はミニチュアシュナウザーの子犬はあまりいませんでした。
それであきらめて初めて抱かせて貰ったトイプードルの子犬がウチにいる2代目になりました。
なぜかトイプードルなのに可愛くなく猟犬の様な凛々しい感じのする子犬でした。
子犬がきた翌日から私達は、早く起き雨戸を開け、掃除や洗濯、散歩までテキパキとこなし悪い魔法が解けたみたいに日常が戻りました。
昔、ムツゴロウさんが「犬が亡くなってもドンドン飼えばいいんです。」とお話されていましたが、本当だと思いました。
飼い主の年齢や経済的な事はもちろんですが、それが許されるならば犬を飼って同じ時間を共有して生きていくのは良いのでないかと思います。
犬好きの友達は時間があると助手席に愛犬を乗せてフラッと出かけるそうです。知らない所や自然の中を犬と散歩するととても癒されるそうです。
愛犬と出かける時間があるから家族といがみ合わないでやっていると言っていました。
ウチの2代目のトイプードルは遊び好きでソックスをくわえて挑発します。
新しいソックスは取り返そうと人が追いかけてくれるのでそれが嬉しくてたまらないようです。
忙しくて誰もかまってくれないとこれ見よがしにソックスをビリビリに裂いてしまいます。
ですからウチのソックスの半分は右左が揃っていません。ソックスを履いた時に大きな穴が開いていたり、指が2~3本出ているのは日常茶飯事です。
酷い事をするものだと家族は怒っていますが、それは、遊んで欲しいサインなので仕方ないと思っています。
酷い時はソックスをくわえたままウーウーと唸り声をあげて背後からツンツンと鼻で突かれる事があります。
犬なのに人間を挑発して頭がいいなと感心してしまいます。奪い返そうとすると待ってましたとばかりに尾っぽを振って逃げまくる様子にとても癒されます。
なんでもない犬との日常にとても心がなごみ楽しませてもらっていると思っています。
人間は言葉や文字を通じてコミュニケーションがとれますが人間以外の生き物と心が通じで癒されるのはとても素敵だと思います。
歳を重ねウチの犬も高齢になりお別れする時がいずれきます。
またペットロスになると思います。
それでも懲りずに子犬と縁を結ぶのでないかと思っています。