ミドリガメを飼育していると繁殖に興味を持つこともあります。

メスを飼っていたら無性卵を産んでいるのを見たりだとか、繁殖期の様子を見ていると切なくなったりだとか大切に飼育しているほど色々と思い入れもあるものです。

ペットに繁殖させること自体が飼い主の責任を伴うものではありますが、ミドリガメの繁殖には更に問題点が多くあります。

安易な気持ちで繁殖する方を増やさないためにも、繁殖方法は記しません。問題点について考えてみます。

 

 
スポンサーリンク
 

 

ミドリガメの繁殖

問題点1:大人になると20cmオーバー

縁日の亀すくいやペットショップで販売されている子供のミドリガメは小さくて可愛い姿をしています。

そんな子亀時代はとても短く、アッという間に成長します。個体差もありますが5年程で甲羅の長さは20cm前後の立派な大人のカメに育ちます。

その後も成長を続け、大きな個体になると30cmを超えるものもいます。

 

ミドリガメを繁殖させるのであれば、複数の20cmを超える大きなカメを寿命まで育てきる覚悟か、きちんと最後まで世話のできる里親を予め決めておく必要があります。

ミドリガメの飼育について説明すると、大抵の人は大人のカメのサイズに驚き飼育を断念します。

複数のカメの里親探しは骨の折れる作業になりそうです。

 

 

問題点2:寿命が未知数

ミドリガメの寿命は約30年と言われてはいますが、実際に飼育をしてみるとそれ以上に長生きする可能性は十分にありえます。

これはクサガメの例ですが、生物学者の南方熊楠さんは多数のカメを飼育していましたが、その中の1匹のクサガメは熊楠さんの死後も生き続け、100歳まで生きたとの記録が残っています。

そんなに丈夫で長生きなクサガメの生態を脅かしているのがミドリガメ。

 

ミドリガメがクサガメよりも力が強く、繁殖力があるだけかもしれませんが、既に40歳を超えるミドリガメも国内に存在するのも事実。

最近ではミドリカメも飼育方法や飼育環境も改善され、病気だ怪我だと動物病院にも連れて行き、大切な家族の一員として飼育されています。

この様子だとまだまだ寿命は延びそうです。もしかするとこれからは飼い主より長生きするケースも多くなるのではないでしょうか。

 

 

スポンサーリンク



 

 

問題点3:複数の卵を産卵

ミドリガメは年に数回、1回の産卵で10個前後の卵を産みます。

個体差や飼育環境にかなり左右されるので年1回の時もあれば、1回に3個の時もあるという感じでバラつきがあります。

 

もちろん無性卵を産む場合もありますし、全ての卵が無事に孵化できるわけでもありません。

けれど、1回だけと思い繁殖にチャレンジした結果、沢山の子亀に恵まれ多頭飼育の限界を迎える可能性もゼロでは無いのです。

 

テレビニュースなどで報道されることもある猫などのペットの多頭飼育崩壊はミドリガメでも十分にありえます。

1匹だけでも持て余して川に逃がす人が後を絶たないミドリガメですから、複数となるとかなりハードルが上がってしまいます。

 

これまでのようにオスとメスを一緒に飼育しているとカメが増え続けてしまいます。それこそ多頭飼育崩壊の第一歩。

猫などの多頭飼育崩壊をしている現場では保護した後に去勢手術や避妊手術をしています。

ミドリガメの場合は爬虫類専門の動物病院も少なく、犬や猫のように去勢をする話もあまり聞きません。そうなると最低でもオスとメスに分けて飼育する必要が出てきます。

 

20cmを超える大きなカメを複数飼育するには大きなスペースと手間暇がかかります。

自宅の庭に池や生けすを作れるとしても長生きのカメを飼育するには、自分だけでなく親子何世代かで何十年も世話をしていくことになります。

 

ミドリガメことミシシッピアカミミガメは外来種としては有名ですが、今まで飼育することに規制はされていませんでした。

それも今後どうなっていくかわかりません。

 

既に環境省も「アカミミガメ対策推進プロジェクト」を公表し、終生飼育の徹底など注意喚起をはじめています。

このプロジェクトの柱に「入れない、捨てない、拡げない」の3原則があり、特定外来生物に指定される日も近いのではないかと予想されます。

 

在来種の生態を脅かしていることも有名でしたが、レンコンなどの農産物にも被害が及んでいるそうです。

何でも食べてしまう雑食のミドリガメなので、レンコンだけでなく他の農産物に被害が出ても不思議ではありません。

 

特定外来生物に指定されると今後の飼育、繁殖、輸送など色々な面での規制がはじまります。

飼育に許可や登録が必要になるかもしれない外来種のミドリガメを、個人的な趣味で安易に繁殖してみようという考え自体に問題があるのかもしれません。

 

飼育しているミドリガメの生態に興味を持つことは正しい飼育にも繋がりますし、ミドリガメを可愛がる飼い主として当然のことなのかもしれません。

しかし、その興味だけで繁殖までしてしまう前によく考える必要があります。もうミドリガメの繁殖は感動的な生命の誕生というだけでは済まされそうにありません。

長い長い付き合いになるミドリガメだからこそ、今飼育している個体を大切に育てることに楽しみを見つけていきたいですね。

 
スポンサーリンク