ペットを飼うと人は成長できる。
それは他人と生活を共有するかのような感覚なのでしょう。
自分の都合だけではどうすることも出来ない現実を目の当たりにすることが多々出てきます。
今回はそんな成長をする事が出来た、私の実体験を紹介させて頂きます。
思い返してみると、小学校6年生になるまでの自分はものすごい我がままだったように思います。
一人っ子ということもあって、親からは何でも買い与えてもらっていましたし、なんというか、それが当たり前だと思っていたんですよね。
しかも、生活態度も非常に悪くて、部屋は全く片付けませんし、食後の歯磨きも怠りがち。
友達や下級生に対しても、いたずらばかりしていましたし・・。
学校では、かなりの要注意人物として、いっつもマークされていたように思います。
実際、担任の先生からは、事がるごとに怒られていましたしね。
でも、前述したように、親からは何でも買い与えてもらっていた私。
怒られた経験なんて1度もなく、よって、担任の先生から怒られたときは、反省するどころか、むしろ「なぜ僕が怒られなきゃいけないの?」みたいな感じで、逆ギレしてたんですよね。
とまあ、今思い返してみても、本当に手の付けられない、最悪な小学生だったように思います。
それがね、まだ小学校3年生くらいまでなら、まだ可愛いといいますか、やんちゃ盛りだなあ、くらいで済むのかもしれませんが、当時の私はすでに6年生。
さすがにこのままではちょっと先が思いやられますよね。
そんな私を心配したのでしょうか。
ある日、親がペットを連れて帰ってきたんです。
ペットといっても、犬や猫ではありません。
じゃあ、なんなのかといいますと、それは手乗り文鳥です。
実は、以前某大手スーパーに行った際、ペットコーナーで手乗り文鳥を見かけ、ものすごくほしいと思ったことがあったのです。
あの時、親に飼いたいとおねだりしましたが、この時はなぜか断られたんですよね。
何でも買い与えてもらっていた私ですが、さすがに生き物となると、親も考えなければならなかったんでしょう。
それが、大体3か月くらい前の話ですかね。
で、この日手乗り文鳥を連れて帰ってきてくれたわけです。
ちなみにですが、その手乗り文鳥は成長しておらず、まだヒナの状態でした。
後で知ったところによると、手乗り文鳥というのは、ヒナの状態から育てないと、手乗りの習慣が培われないんだとか。
とまあ、そんな文鳥のヒナを飼うことになったわけですが・・。
飼うにあたって、世話は私がするようにと命じられました。
そりゃそうですよね。私が飼いたいと言ったわけですから、世話は私がするのが当前です。
犬や猫と違って、そこまで大きな動物じゃありませんし、小学6年生でもやろうと思えば十分に育てることはできるでしょう。
こんな感じで、最初は安請け合いをした私ですが・・。
正直言って3日目くらいに飽きてしまった自分がいます。
餌をあげるのは楽しいんだけど、鳥かごの掃除がねえ・・。
要は、糞尿の掃除をしなければならないわけですが、これがすごく怠いんです。
なんせ、当時の私は、我ままど真ん中の、手の付けられない小学生でしたからね。こんなことを毎日しなければならないのかと、いやな気持ちになりました。
最悪なことに、何の罪もない文鳥のヒナに対しても嫌悪感を抱くようになったりなんかして・・。
それを、何気なく親に伝えたところ・・。人生で初めてこっぴどく叱られました。
よくは覚えていませんが、命の尊さについて、コンコンと説教されました。
その時は、もうワンワン泣いてましたからね。
正直記憶はあいまいです。
それでも覚えているのは、自分に非があるのを素直に認めることができた、ということです。
さっきも言いましたが、担任の先生から怒られたときは、「なぜ僕が怒られなきゃならないの?」みたいな感じで逆ギレをしていた私がですよ。
この時ばかりは素直に謝ることができたのです。
なんだろう、あんなにかわいいヒナに対して悪態をついた自分がものすごく情けなくなったんですよね。
とまあ、この経験があって、ほんのちょっとではありますが、人間的に成長できたように思います。
以来、ヒナの世話は、一切合切するようになった私。
大げさな表現かもしれませんが、これがきっかけで他者に対する思いやりみたいな感情が芽生えたような気がします。
生活態度も徐々に改善していきましたし、身の回りのことは極力自分でするようになりました(例えば、部屋の片づけや食後の皿洗いとか)。
学校でもいたずらをすることもなくなりましたし、学校生活も随分落ち着いてきたように思います。
それもこれも、ヒナの世話をするようになったからです。
ヒナは、私が餌を与えようとすると、待ってましたとばかりに駆け寄ってきます。
そういうのを見ているとねえ、なんというか、母性(父性)みたいな感情が沸き起こってきて、心が穏やかになるんですよね。
結局、愛情たっぷりで育てた結果、見事、手乗りの習慣が培われ、私にベッタリの、それはそれはかわいらしい文鳥に成長したのでした。
私が言うのもなんですが、手の付けられないやんちゃな男の子には、手乗り文鳥を飼わせることをお勧めします。
成長期真っ盛りの年頃に、命の尊さを実感することで、劇的に(人間的な)成長が見込めますよ。