カージナルロングフィンアカヒレの魅力とは。
アカヒレという淡水魚にカージナルロングフィンアカヒレという種がいる事をご存知でしょうか。
私は実際に飼育してみて孵化、稚魚育成に成功しましたのでその記録です。
また、大変人気な種類なので入手しにくい種類です。
購入する際のコツもご紹介します。
アカヒレというのは非常に安価で手に入る上に、飼育も簡単なことからアクアリウム初心者の方におすすめの淡水魚です。
ペットショップやアクアリウム専門店で販売されているのはノーマルアカヒレと、ゴールドアカヒレの2種類で、ノーマルタイプは銀色にボディに赤いヒレが特徴的で、1匹50~100円程度で販売されてます。
ゴールドタイプはその名の通りオレンジがかった金色をしており、1匹80~120円程度です。
1匹2~3cmと、グッピー程度の大きさしかありませんが、水槽で群遊する姿はとても魅力的です。
他の淡水魚などとの混泳も可能です。
カージナルロングフィンアカヒレ
アカヒレは有名ですが、・・・
アカヒレの中に『カージナルロングフィンアカヒレ』という種が存在することはあまり知られていません。
このタイプは通常のアカヒレに比べてヒレが大きく、体長も若干大きめです。
大きなヒレを動かしながら泳ぐ様は非常に美しく、それでいて丈夫で飼育も簡単であることから、アクアリウム愛好家にはとても人気があります。
一般的なペットショップなどでは殆ど流通しておらず、入手は非常に困難で、入荷してもすぐに売り切れてしまいます。
私の場合、アクアリウム専門店のメルマガに登録し、入手したらすぐに連絡してもらうようにすることで入手することが出来ました。
もしも狙っている人がいるならば、同じようにメルマガに登録したり、ペットショップ店員と仲良くなったりして、入荷したら教えてもらうようにする方法が最も効率的です。
通常のアカヒレと比べると価格もグンと跳ね上がり、1匹あたり500~800円になります。
私は元々ノーマルアカヒレも10匹程飼育していたこともあり、6匹購入しました。
アカヒレは雌雄の区別が比較的簡単です。
後々増やして行きたかったので、店舗で元気そうなメスを多めに選んでもらいました。
やはりノーマルタイプと混泳させても存在感が圧倒的で、水槽のどこにいても目を引きます。
水槽は横幅30cmのややスリムタイプを使用していました。
アカヒレの銀色が目立つよう、敷石は赤い金魚用のものを敷き、ウィローモス、アナカリス、アヌビアス・ナナなどの水草も植え込んでおきました。
アカヒレはコイ科の淡水魚ですので、鯉のように跳ねる性質を持っています。
その為、水槽に蓋は必要不可欠です。
カージナルロングフィンアカヒレの最大の魅力はフィンスプレッディングの際の美しさです。
フィンスプレッディングというのは、魚が縄張り争いをしたり、メスにアピールする際にヒレを大きく広げ合う行為のことです。
アカヒレの場合、特に繁殖期に多く見られます。
ノーマルタイプでも通常時よりも大きくヒレを広げている姿は十分美しいのですが、カージナルロングフィンアカヒレの場合、その美しさは格別です。
繁殖期はヒレもやや赤味を増しており、まるでダンスを踊っているかのようです。
カージナルロングフィンアカヒレが孵化
このフィンスプレッディング行為が見られたら、卵を産む可能性が高いので、数日間は水槽内をくまなくチェックし、産卵していないかどうか確認してあげましょう。
アカヒレの卵は1mm程度しかなく、ほぼ透明なので見つけるのは困難ですが、せっかく産んだ卵を他の魚に食べられてしまう危険性があるため、見つけ次第大きめのスポイトで採取し、孵化専用の別水槽に移しておく必要があります。
アカヒレの産卵は数日続くので、毎日こまめに卵を採取しましょう。
産卵後2~4日ほどで孵化します。
私は運良く孵化する瞬間を目にすることが出来ました。
卵の中に点のような小さな黒い目が見え、中の稚魚がうごめいているのが目視出来たため、しばらく観察していました。
卵がピクピクっと小さく震えたかと思った瞬間、ものすごいスピードで稚魚が卵から飛び出していくのが確認できました。
それまでも金魚などを飼育した経験はありましたが、孵化する瞬間を目にすることはなかったため感動もひとしおでした。
卵は全部で40個近く採取していましたが、孵化したのは半分程度です。
中には無精卵が含まれていた可能性もあります。
孵化して数日は、水槽のガラス面に2mm程度の極々小さな稚魚たちがくっついており、その様はまるでゴマが水槽に着いているようでした。
まだ全然アカヒレらしさがなく、透明なオタマジャクシといった感じです。
1週間以上経つと、泳ぎだす稚魚が現れてきます。
ここで重要なのが栄養価の高い餌を用意することです。
餌が不十分だと成魚になる前に死んでしまいます。
しかし、あまりにも小さいため、通常の稚魚用の餌すら口にすることが出来ません。
私の場合は、バクテリアを加えたり、稚魚用の餌をスリコギで更に粉状にすり潰したものを与えたりしてこの時期を乗り切りました。
稚魚が黒味を帯びてきて、魚らしい体つきになってきたら、
後はブラインシュリンプを別途孵化させてたくさん食べさせていきます。
ブラインシュリンプは栄養豊富で、これを食べるようになると、一気に魚らしさが増してきます。
個体差があり、餌をよく食べるものと食べないものでは成長具合が全く異なり、どうしても自然淘汰されてしまう稚魚もいました。
しかし、15匹ほどは十分な大きさまで成長し、数ヶ月で立派なヒレも現れ、ロングフィンアカヒレ特有の長い尾ヒレもひらひらしてきました。
半年も経てばすっかり成魚です。
稚魚から育てた子たちは、人間に慣れているのか、私が水槽を覗き込むと水面にふよふよと水上し、集まってくるようになっていました。
魚がなつくイメージはまるでなかったのですが、思わぬ行動にほっこりさせられました。
せっかく育ててきたカージナルロングフィンアカヒレ達ですが、大地震の被害に遭い今では皆天国へ旅立ってしました。
もう少し成長を見守りたったとことが悔やまれますが、お空に元気でヒレを広げてどこかで泳いでいてくれたと祈っています。