目次
イグアナの性格
グリーンイグアナの性格は一般的に温厚で大人しいと言われています。
しかし一方で警戒心や縄張り意識が強く、特に雄同士であれば争うことも珍しくありません。
発情期の雄は人間に攻撃することもあるほど攻撃性も高まりますので注意が必要です。
だからこそしっかりとしつけを行なったり、人間になついてもらうことが共に暮らす上で重要になってきます。
では具体的にどれほどの知能があるのか、一つずつ見ていきましょう。
イグアナはなつく?
ペットとして飼育する以上、飼い主としてはやはりなついてくれたら嬉しいですよね。
名前に反応したり、コミュニケーションを取ることができる生き物は接していて楽しいものです。
しかしイグアナといえば爬虫類、哺乳類である犬や猫のようになついてくれる生き物なのか、飼育する前に是非知っておきたいところです。
実は、イグアナは人間になつくと言われています。
勿論種類や個体にもよりますが、基本的に彼らは知能が高い爬虫類。
特に日本や世界で最も多くペットとして飼育されているグリーンイグアナは人になつきやすいと言われています。
これが人気の理由の一つでもあるようです。
イグアナをなつかせる方法
イグアナに限らずどんな生き物もそうですが、やはり幼体の頃から人間に慣れさせた個体の方がなつきやすいです。
しかし幼い頃に無理にスキンシップを取ろうとして怖い思いをさせてしまうと、それが一生のトラウマになってしまうケースもあります。
距離を詰める時は少しずつ、怖がらせないように、またこちらも怖がらないように接することが大切。
人間の方が怖がってしまうとそれがイグアナにも伝わってしまいます。
そうなると余計な警戒をされてしまったり、時には威嚇、攻撃をしてくることもありますので堂々とした態度で挑みましょう。
また人に慣れていない多くの生き物は上方向から触られることを嫌がります。
これは外敵に襲われる時の状況に似ている為で、自分より身体が大きく目線も高い位置にいる人間に上方向から触られるのはストレスになります。
触れる時は正面や横からにするなどを常に心がけましょう。
同様に後ろから追いかけられる、といった行動もイグアナが怖がる原因ですので無理に捕まえたりしないようにします。
根気よく世話をして、手からエサを与えるなどを繰り返し、警戒心が解けてきたところで初めて少し触るくらいがよいです。
イグアナが触られるのに慣れてきたら今度は手乗り、抱っこに挑戦するなど少しずつ信頼を築いていきます。
イグアナは寿命の長い生き物ですから、是非最後まで仲良く暮らせるように頑張ってください。
イグアナの知能
人間を識別することができる
イグアナは飼い主とそれ以外の人間を見分けることができると言われています。
具体的にはいつもエサをくれる人間には自分から近付いたり、与えられたエサを食べますが、初めて会う相手からはエサを食べないなどの行動が見られます。
それどころか個体によっては初めて会う人間に攻撃をすることもあります。
2メートル近い身体と鋭い爪で攻撃されるのは少し怖いですので、しっかりと飼い主を覚えてもらいましょう。
習慣を覚えることができる
イグアナは自身の行動を習慣として身に付ける能力があると言われています。
例えば『エサを食べた後はベランダで日光浴』というのを毎日繰り返した場合、そのうちイグアナの方から食後はベランダに移動するようになります。
人間もそうですが、イグアナも幼体の頃から習慣化してあげた方がしっかりと覚えることができるようです。
名前を覚えることができる
飼い主が呼ぶ自分の名前に反応ができます。
部屋で放し飼いにしている場合は、名前を呼ぶと大きな体で一目散に駆け付けてくれる子もいるようなのでとても可愛らしいですね。
個体にもよりますが幼体の頃から繰り返し名前を呼んであげた方が覚えやすいようです。
トイレのしつけができる
イグアナは知能が高いのでトイレを覚えることができます。
部屋で放し飼いにしていてどこにされるか分からない、という不安もトイレのしつけさえしっかり行えば心配しなくて良いのです。
これは飼育する上でとても嬉しいですね。
上記の習慣化と同じで、トイレを毎回同じ場所でさせることでイグアナがその場所をトイレとして認識するようになってくれます。
この時少しコツがあり、密室や壁で覆われている場所の方が安心して用を足せるため覚えやすいようです。
これは野生の時に外敵から襲われそうな場所をトイレに選ばないことの名残。
それを踏まえて、イグアナが暮らしている部屋にトイレを設置する場合は猫用トイレが適しています。
その場合は猫砂ではなく鹿沼土などを敷いてあげると片付けもしやすいです。
またイグアナが暮らしている部屋の外にトイレを考えている場合はお風呂場という手もあります。
こちらでしたらそのままシャワーで流してしまえるので片付けも簡単です。
部屋との距離などを考えてイグアナに負担の少ない方を選んであげてください。
イグアナの飼育方法
いざイグアナを買おうと決めても、どんなものを用意すればいいか悩みますよね。
イグアナも種類によって地表性であったり樹上性であったり、湿度を好んだり乾燥を好んだりと様々。
大きさにしても数十センチほどの種類と2メートル近い種類では当然飼育に必要なスペースも変わってきます。
元々住んでいた場所に合わせて個体に適した環境を用意してやるのは飼育者の義務とも言えます。
寿命も比較的長い生き物ですので継続してその飼育環境を維持することも大切です。
ここからはペットイグアナとして最も代表的なグリーンイグアナを主に飼育の紹介をしていきます。
ケージ
そもそもグリーンイグアナがどんな場所に住んでいるかと言いますと、コロンビアやメキシコ等の水辺の樹上。
2メートル近い生き物が木の上に住んでいるというのはなかなか想像しにくいかもしれませんが、樹上性ということは飼育スペース内にも高さが必要ということです。
結論から言いますとこの種類をケージで飼育し続けることは難しいかと思います。
幼体の頃なら大丈夫ですが、人間とほとんど変わらない大きさになる成体を狭いスペースに閉じ込めてしまうのはストレスにもなります。
力もそれなりに強いので、ベビーの頃から入っていたガラス水槽を割ってしまうということもあるようです。
その為幼体の飼育は万が一を考えてアクリル水槽の方が安全と言えます。
では成体はどうするのかと言いますと、一部屋を丸々イグアナの為に用意するというのが最も簡単です。
犬や猫を室内飼いするような感覚になりますのでそれほど難しいことではありません。
樹上性なので高さのあるレイアウトが必要という点では犬よりは猫に近いです。
爬虫類はサルモネラ菌などを持っている可能性が高いので、台所などとは接していない部屋が適しています。
とはいえずっと部屋に放し飼いにしておくのはやはり不安もありますよね。
そこでイグアナ専用のスペースとして猫用のケージを用意するという方法があります。
猫用のケージであればペットショップでも購入できますし、頑丈ですのでイグアナが暴れても問題はありません。
高さもあるので大きめの枝などを入れて簡単に高低差のあるレイアウトを組むことができます。
床面積の大きさは成体のイグアナが身体を伸ばしたり、方向転換ができる程度の幅と奥行きの物を選びます。
90×60×120程度の物なら手にも入りやすいので、それ以上の物を目安に用意してください。
また、猫用ケージに元々セットされている段差の板はプラスチック製でツルツルしている物もあります。
このような物はイグアナの手足では滑ってしまいますので、金網の物を選ぶか木などを設置してあげると良いでしょう。
グリーンイグアナ以外のチャクワラやサバクイグアナなどといった、成体が40センチ前後の種類であれば90センチ水槽くらいの容器で終生飼育が可能です。
ただし樹上性の場合はそこに高さが更に必要となります。
給水器
グリーンイグアナは元々水辺に棲む生き物ですので、常に水が側にある方が安心するようです。
飲み水用の水と水浴び用の水を用意します。
飲み水はイグアナがひっくり返したりしても割れないボウル等の容器に水道水を入れます。
水浴び用の容器は丈夫で、イグアナが身体を浸からせることができる大きさの物を選びます。
しっかりと水浴びを行えるようにすることで乾燥による脱皮の失敗などを防ぐことができます。
温度・湿度管理
グリーンイグアナは寒さに弱いと言われています。
温度管理は飼育している部屋ごと、エアコンで管理するのが基本です。
日中は26〜30℃くらい、夜間は25℃くらいを1年中キープします。
温度が低いと消化不良を始め、様々な病気の原因となります。
またイグアナは変温動物ですので体温を外からの熱で調整します。
その為スポット的に温度が高い場所を飼育スペース内に作ってあげる必要があります。
スポットの温度は35〜40℃くらいの少し高めの温度に設定します。
これにはバスキングライトや紫外線ライトを用います。
グリーンイグアナは身体が大きいのでライト1つでは全身に熱と紫外線を当てることができません。
複数個、できれば3つほどを組み合わせてしっかりと全身を温めることができるようにしてあげてください。
ライトに直に触れてしまうと火傷の恐れがありますのでカバーを付けるなどして保護します。
続いては湿度ですが部屋全体を50〜70%を保つようにします。
水辺に生息する生き物ですので乾燥には弱く、ストレスを強く感じます。
加湿器を使うなどしてしっかりと保湿してあげましょう。
部屋の広さによっては2台以上用意した方がよい場合もあります。
その他にもイグアナ自体に直接霧吹きをしてやることも効果的です。
体の表面が乾燥していると感じたら軽く吹き掛けてあげてください。
餌
グリーンイグアナは草食の生き物です。
その為食事は野菜や果物が中心となります。
これらは新鮮であれば八百屋やスーパーで普通に購入できるもので問題ありません。
基本的には人間が食べることのできる野菜は何でも食べることができます。
葉野菜をメインに小松菜、チンゲンサイ、大根の葉などを与えます。
その他にも根菜や豆類、果物を補助的に与えます。
人参やかぼちゃ、大豆、リンゴ、スイカなどを食べさせます。
イグアナは視覚、色覚が優れていますので発色の良いものを好んで食べる個体が多いようです。
同じ物が続くと飽きてしまい食べなくなるという個体もいます。
また最近ではグリーンイグアナ専用の人工飼料も出ています。
こちらは食べる個体と食べない個体が分かれますが、食べる個体であれば栄養のバランスが取りやすいのでおすすめです。