私が小学生の頃、初めてペットとして飼っていたのがジャンガリアンハムスターでした。
当時大人気だったハムスターですが、私は気軽な気持ちで飼ってしまったため様々な失敗をしてしまいその結果我が家に来てくれたハムスターには申し訳ないことをしました。
簡単に飼えるイメージの強いハムスターですが、実は色々と気を付けなければならない点があるので、私の失敗を踏まえてご紹介したいと思います。
目次
ハムスター繁殖の悲劇
最初に飼ったのはオスのジャンガリアンハムスターでした。
なぜオスにしたかというと、メスより飼いやすいと噂できいたからです。
この子は穏やかな性格ですぐに私にも慣れ、たまにゲージから出しては肩に乗せてテレビを見たり出来たほどでした。
ゲージはハムスター用のしっかりとしたものを使っており、中には小屋と回し車を設置しました。
普段穏やかだったため私も油断していたのかもしれません。
ある日の夜中、私の父が帰宅すると玄関でハムスターを発見したそう。
普段ゲージは2階に置いてあったため、ハムスターは小屋か回し車を踏み台にしてゲージから脱出し階段を下りて玄関までやってきたということになります。
まさか自分で階段を下りてくるとは夢にも思っておらず、翌朝このことを聞いた私はびっくりしました。
ハムスターは基本夜行性。
そのため普段はおとなしかったこの子も夜になって本来の能力を発揮したのでした。
私はすぐにゲージの中に設置していた小屋の屋根を取り外し、回し車も低い場所に設置し直しました。
そして夜には布を掛けて暗くするようにすると脱走はなくなりました。
ハムスターの身体能力、ジャンプ力を侮ってはいけません。
ハムスターを買い始めてから1年後、私はメスのハムスターを購入しました。
理由は一匹では寂しいだろうという私の勝手な思い込みでした。
ハムスターをカップルで同じゲージに入れておくとどうなるか、私はまだ事の重大さに気づいていませんでした。
やがて毎日のようにメスの悲しそうな鳴き声が聞こえてくるようになりました。
見るとオスがメスをいじめています。
私はゲージを上下に仕切りいじめることができないようにしました。
しかしそれでも鳴き声はなくなりません。
それどころかメスは肛門から出血しています。
そして離しても離しても2匹は互いを求め合いました。
そしてやがてメスのお腹が膨らんでいることに気づき間もなく5匹の赤ちゃんが生まれました。
そう、オスがメスをいじめていると思ったのは実は交尾だったのです。
動物の本能でどんなに離されても子孫を残すことに必死なのでした。
赤ちゃんが生まれてから2週間後、私は自分の目を疑いました。
またメスのお腹が膨らんでいるのです。
そして間もなく6匹の赤ちゃんが生まれました。
私はすぐさまオスとメスを分けました。
今度はゲージも別にしました。
そしてメスと11匹の赤ちゃんは同じゲージで育てました。
これも赤ちゃんは母親と一緒がいいだろうという思い込み。
しばらくは何事もなく過ぎました。
しかし、最初の赤ちゃんが生まれてから半年経った頃・・・
最初の赤ちゃんが生まれてから半年経った頃、なんとまたメスのお腹が膨らんでいるのです。
しかも生後半年になった子供ハムスターの中にもお腹の大きなメスがいました。
もうこれにはびっくりを通り越して焦りました。
親子間、兄弟間で交尾していたのです。
そして計10匹の赤ちゃんが生まれました。
私は家族と相談して同じ性別同士で同じゲージに入れることにしました。
これで赤ちゃんが生まれることはなくなりましたが更なる悲劇を生んでしまったのです。
赤ちゃんが増えすぎたため、ゲージを買い足して6個のゲージが我が家を占領冷ました。
振り分けは、
- パパと子供のオスハムスター2匹の計3匹
- ママと子供のメスハムスター3匹の計4匹
- 2回目に生まれた幼児ハムスターのオス4匹、メス2匹
- 最後に生まれた赤ちゃんハムスターのオス8匹とメス2匹
という具合でした。
これでみんな平和に暮らせると思ったのですが、ある日私が学校から帰ると、パパハムスターが血を流してグッタリしていました。
側には口の回りに血がベッタリついた2匹の子供ハムスター達。
息子達が父親を襲ったのでした。
私は恐怖と悲しさで震えました。
子が親を襲うなんて想像すらできませんでした。
とにかく急いでパパハムスターを動物病院に連れていきましたが残念ながら亡くなってしまいました。
この一件から、もう誰と誰を一緒の小屋に入れておけばいいのかわからなくなりました。
一匹ずつわけるほど広いスペースは我が家にはありませんでした。
そこで私は友達にハムスターを譲ることにしました。
声かけの結果、3匹の赤ちゃんがそれぞれ貰われていきました。
それでもまだ数は減らず、とりあえずゲージを上下に仕切って対応しました。
パパの二の舞になってはいけないと、ママは1匹でゲージに入れました。
最初に飼ったため特に思い入れの強かったパパハムスター、その命と引き換えに私はようやくハムスターは一匹ずつかわなくてはいけないことに気づきました。
このようにハムスターの繁殖率はとんでもなく、1度赤ちゃんが生まれるとそこからどんどん増えていきます。
そしてゲージ内の環境も悪くなり私のように大切な命を奪ってしまうことにも繋がるのです。
ハムスターは誰にでも飼える人気のペット。
しかしどんなペットにも飼う際の注意点があることを忘れずに責任を持って飼ってほしいと思います。
私のように人間の勝手な思い込みで不幸にしてしまうことのないよう願っています。
では、このような悲劇を生まないためにも押さえておくべき繁殖についてのポイントを以下にまとめます。
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ハムスター繁殖の注意点
先ほど紹介したエピソードのように放っておいたら無限にハムスターが生まれ続け、ケージ内では同時に戦争も勃発。
まるで地獄絵図となりますのでしっかり繁殖についての知識は知っておきましょう。
私の経験談から言えるハムスターを飼育する際に注意すべき点は以下の3点。
- 交尾後はオスを隔離する
- 出産後は過度な接触を避ける(子食い防止)
- 出産後は1ヶ月経過したらケージを分ける(共食い・繁殖防止)
交尾後はオスを隔離する
私の場合は後尾をしているとも知らずに自然とオスメスを分離していましたが、実際交尾が確認出来てお腹が膨らんできたらオスとメスは分けて下さい。
なぜなら、ハムスターにはどうやら父性というのはないらしいので・・・。(^_^;)
ハムスターはメス一匹で子育てをする動物。
父親がいると出産に意識を集中したい母親を追いかけ回し、逆に邪魔になるので要注意。
ものすごいダメオヤジっぷりですね。笑
ここまで潔いと逆に微笑ましくもありますが、母親ハムスターからするとストレスにしかなりませんのでしっかり分離して下さい。
母親ハムスターに与えるエサは可能な限り栄養のあるものを上げましょう。
出産後は過度な接触を避ける(子食い防止)
出産後、母親ハムスターは子供達におっぱいをあげます。
母親ハムスターが子供の世話をするシーンが見たくて覗いたり、子ハムが可愛すぎてついつい触りたくなってしまいますが・・・
人間の臭いがついてしまった子ハムは母親に食べられたり、育児放棄されたりするので、飼い主であるあなたは何も接触しないのが吉です。
残念ながら父親ハムスター同様、あなたも何1つ役に立つ事はありませんので、全て母親ハムスターに任せましょう。
何か異常がありそうなときだけ接触して下さい。
出産後は1ヶ月以内にケージを分ける(共食い・繁殖防止)
出産後1ヶ月程度が経過したらハムスターを全て解散させます。
理想的には全てのハムスターを1つ1つのケージに入れた方が良いです。
なぜなら共食いが始まるから。
ハムスターは集団で生活する本能が備わっていません。
むしろ自分の縄張りは自分で守る一匹狼。
そのため、家族であっても上記のように共食いが発生します。
オスの場合は特に縄張り意識が強いので、絶対に1つ1つのケージを分けることをお勧めします。
メスの場合は相性が良ければ同居も可能なのですが、正直やってみないとわからない・・・というのが揺るぎのない事実。笑
やってみたところで共食いが発生してしまうと最悪なので、このあたりはもう飼い主の判断次第です。
あとはココまで読んだあなたなら分かると思いますが・・・
オスとメスは分ける
ということ。
「ねずみ算式に増える」とはよく言ったもの。
オスとメスを一緒にするだけで一瞬にドンドン増加していきます。
その結果、私のように地獄絵図を生み出す事になりますし、ケージ代や餌代もかなりかかってしまうことになるので十分ご注意下さい。
ちなみにオスとメスを見分けるには仰向けにして、生殖器と肛門の距離を確認すれば分かります、
人間と同じような肛門と生殖器に距離があるのがオス。
距離がほぼないのがメスです。
以上が私の経験から言えるハムスター繁殖の際に押さえるべきポイント。
正直、私は無知識すぎてハムスターたちが繰り広げる惨状に頭が追いつきませんでした。
ハムスターは1つの命なので、是非とも知識を付けてから飼って頂けるようお願いします。