ミドリガメを飼育する上で気をつけたいのが生後間もない赤ちゃん時代の飼育環境の管理です。
大人になったミドリガメは丈夫そのものですが、生後間もない幼体のミドリガメはまだ体も弱く、飼育中の死亡例も多数あるので注意が必要です。
この記事では私が実際に2匹のミドリガメを成体まで飼育た経験を交えつつ、ミドリガメに幼体の時期に必要な普段のお世話の方法をまとめていきます。
ミドリガメは各地の川や池などで大繁殖をしている厄介者として有名な生物です。
どんな環境でも大繁殖している姿を見ると丈夫な生物であるとお感じになるでしょう。
確かに成体に成長したミドリガメは丈夫そのもので、飼育中に病気や事故で死亡することは少ないと言えます。
しかし、生後間もない幼体のミドリガメはまだ体も弱く、飼育中の死亡例も多くあります。
この記事では私が実際に2匹のミドリガメを成体まで飼育してみた経験から学んだ、ミドリガメに幼体の時期を無事に過ごさせる飼育環境をまとめていきます。
目次
ミドリガメの子亀・赤ちゃんを育てる最適な飼育環境
幼体のミドリガメを飼育する場所は屋内になります。屋外ですとカラスや猫、ヘビなど様々な外敵からの危険にさらされることになるからです。
また、温度管理の点においても屋内の方が管理しやすいので安心です。
屋内飼育と言っても家の中ならどこでも良いわけではありません。
できるだけ日当たりの良い窓の近くや、出窓で飼育しても良いでしょう。
夏場など日差しが強すぎても心配ですので、留守中はレースカーテンなどで影を作ってやります。
このとき気をつけたいポイントは影ばかりにせず、少し日光のあたる場所を残しておくことです。
このようにある程度は紫外線を浴びることができる状態にしておくことで、甲羅の順調な発育に欠かせない紫外線を無理なく浴びさせ甲羅の成長を促すことが出来ます。
窓越しでは紫外線がカットされているので十分ではないという意見もよく耳にしますが、経験上窓越しでも問題ないと考えています。
もちろん休みの日などは目を放さない状態で屋外で日光浴をさせる必要がありますが、普段は窓辺のガラス越しの日光浴で十分です。
紫外線ライトを使って飼育する方法もありますが、火傷などの思わぬ事故で死亡するリスクを少なからず伴います。
紫外線ライトをできるだけ使わずに飼育するに越したことはないでしょう。
飼育ケース
幼体のミドリガメの成長は著しく、あっと言う間に飼育ケースのサイズアップの必要が出てきますので、高価な物を準備する必要はありません。
もって2年程度だと考え適当な物を用意しましょう。
手っ取り早くジェックスの「カメ元気はじめて飼育セット」などカメの飼育に必要な水槽や浮き島、餌などがセットになった商品も2000円前後で手に入るのでそちらを利用するのもおすすめです。
ミドリガメの飼育ケースは水槽でなくても衣装ケースなどで代用できます。
幼体にはまだ衣装ケースはまだ大きいので、少し小さめで「幅40 ✕ 奥行30 ✕ 高さ25cm」程度の収納ケースなどでも飼育可能です。
ケースの色はこだわりませんが、少しでも紫外線を透せばと望みを込めて透明な物を選んでいます。
あと、飼育ケースや収納ケースにフタが付いていても外して、100円均一などで手に入るワイヤーネットをフタにしてレンガなど適当な重しをのせておきます。
きちんとフタをしない理由は紫外線を少しでも浴びさせるためと、開放感があって亀も喜ぶのではないかと思ってのことです。
それでも、ミドリガメの身体能力は思っているよりも高く脱走する恐れがありますので、ワイヤーネットでフタをしておけば留守中も安心です。
実際に1回脱走されたことがあり、帰宅後に室内を大捜索するハメになったのでご注意ください。
飼育ケース内に必要な物
カメの水質管理にろ過装置は必要ありません。
こまめな水換えに勝るものはないからです。
こまめな水換えを実現するために余計なものは飼育ケース内には入れません。
ごく普通のホームセンターで1番安かった茶色いレンガを1個だけ入れておきます。
レンガではなくカメ用の浮き島を購入してもかまいませんが、色々試し最終的に保温力も期待できるレンガになりました。
砂利は汚れの温床となり水質維持の邪魔になるだけでなく、手入れも大変なので使用しないことをおすすめします。
これでガンガン水換えをしていけます。
冬場の保温
生後2年目までは冬眠をさせずに保温して冬越しさせます。
体力のない幼体を冬眠させるリスクは非常に高く危険な行為です。
ヒーターは水中に設置するテトラの「レプトヒーター 50W 安全カバー付」がおすすめです。
カメ専用なので魚用よりも頑丈な安全カバーが付いています。
ミドリガメは力も強く丈夫な安全カバーがないと火傷をしてしまう恐れがあります。
ヒーターの故障で水温が上がりすぎて死亡するケースもあるので、ヒーターの設置をしたら必ず水から非難できる足場も設置します。
足場と言っても普段の浮き島やレンガで十分ですが、水温のチェックは水に手を入れてみる程度で良いのでこまめにしておくと安心です。
水温計はいたずらが怖くて付けたことがありません。
これまでミドリガメの世話をしながら最低限の手間でも維持しやすく、ミドリガメにとっても過ごしやすい環境を模索し続けてこの飼育方法に至りました。
我が家のミドリガメたちは大きく成長したので、この飼育方法では通用しませんが、これからミドリガメを飼育する際の参考にしていただけたら幸いです。
水質管理の重要性
ミドリガメは水棲亀なので多くの時間を水の中で過ごします。
飼育ケースの中の水はミドリガメにとっては生活の場であると同時に飲み水でもあります。
飼育ケース内の水が汚れていると、体力の低下や細菌感染などのリスクが高まります。
特に幼体のミドリガメは体も弱く、病気や細菌感染には注意が必要です。こまめに水換えをしてきれいな水で飼育しましょう。
水深はどれくらい必要なのか
飼育ケース内の水深は飼い主によって意見の分かれるところです。
亀の足がつくような、ごく浅い状態で安全に飼育する飼い主もいれば、水深を深くして自由に泳がせる飼い主もいます。
水深を深くして自由に泳がせてみたい場合は、幼体はまだ泳ぎも下手なので、溺れてしまう恐れがあることを理解する必要があります。
足のつく足場を用意するなど安全対策を忘れず、ミドリガメの泳ぎの上達具合をよく観察して、徐々に水深を深くしていくと比較的安全に泳ぎを覚えさせることができます。
泳ぎを覚えたミドリガメはとても気持ちよさそうに泳ぎ回ります。運動不足による肥満防止のためにも、泳ぎを覚えさせることをおすすめします。
きれいな水質を維持する方法
水換えの頻度を上げることが一番の水質管理です。
そのためには飼育ケースの中には最低限の物しか置かないようにして、洗いものを減らすなどの工夫も必要です。
小さいとはいえミドリガメは金魚などとは比べ物にならないほど水が汚れます。暖かい時期はちょっとの汚れでも匂いも酷くなり、藻の増殖にも頭を悩ますことになります。
ろ過フィルターもありますが、手入れが大変なうえ、消耗部品の交換など金銭的な負担も増します。
飼育ケースの中に砂利は敷かず、足場になるレンガや「亀の浮き島」などの専用グッズのみ入れておけば十分です。
2、3日に1回程度を目安に水を換え続ければ、極端に水が汚れることもないので安心です。
飼い主もミドリガメも無理の無い環境
飼育ケースのレイアウトにこりたくなる気持ちはよくわかりますし、やってみたこともありますが、手入れが大変になるだけでした。
ミドリガメが喜ぶのなら頑張る気にもなりますが、特にそんな様子も無く、彼らはいつも通り甲羅を干しては水に浸かるだけです。アスレチックのようなスロープを作ったところでドッグランで遊ぶ犬のような姿は期待できません。
こったレイアウトにしたせいで水質管理が疎かになるくらいなら、シンプルなレイアウトにすることをおすすめします。ミドリガメの体にもやさしく、飼い主の負担も少ない環境作りが長期的な飼育が必要なミドリガメ飼育のポイントです。
ミドリガメの赤ちゃんへの餌やり
どんな動物を飼っていてもエサやりは楽しいものです。
ミドリガメは雑食で、個体差もありますが目の前に何かあれば、とりあえずかじってみるくらいの貪欲さもあります。
ミドリガメ1匹1匹にも食べ物の好き嫌いがあり、お気に入りのおやつを見つけてあげるのも楽しみの1つです。
亀のおやつとして販売されている小エビの乾燥したもの以外にも、野菜や魚、パンなど気に入れば何でも食べてしまいます。
どんなエサが必要なのか
立派な甲羅の見た目通り、ミドリガメの成長にはカルシウムなど多くの栄養素が必要になります。
栄養が不足すると、甲羅の成長に影響が出るだけでなく、体力の低下やそれに伴う細菌感染などの心配もあります。
特にどんどん大きく成長する幼体のうちは、栄養価の高い亀のエサを中心に、たまに好みのおやつを与える程度にしておくと管理もしやすくなります。
必要なエサの量
幼体のうちは朝晩に分けて食べきる程度のエサを与えます。
ミドリガメはエサをやればやるほど食べるというわけでもないようで、お腹がいっぱいになると食べるのをやめます。
食べ残しは水質悪化の原因になるので、取り除いておくと掃除が楽です。
赤ちゃんのミドリガメの世話は意外とデリケートで重労働な上に、慣れてしまうと単調です。
一生懸命お世話をしてもミドリガメ自体も表情も少なく芸を覚えるわけでもありません。
無事、大人に成長したころには多少は世話を面倒に感じたりすることもあるかもしれません。
それでもお世話を続けていくうちに新たな発見をしたり、魅力に気付いたりする瞬間が必ずあります。いつの間にかいるのが当たり前の家族の一員だと感じることになるでしょう。
しかし、そう感じる前に手放してしまう人が多いのも事実です。
ミドリガメは将来的に外来生物として規制される可能性の高い生物です。
これからお世話をずっと続けていけるのか、飼いはじめる前によく考えることえおすすめします。