人間にペットとして飼育される動物には色々ありますが、少し変わったペットに出来る生き物としてオカヤドカリがいます。
この記事ではオカヤドカリの飼育についてご説明します。
目次
天然記念物オカヤドカリって販売してるの?
オカヤドカリは正真正銘の天然記念物ではありますが、沖縄県では時期と量の制限付きで採取することが認められ、ペット用として販売されています。
柴犬、秋田犬などの日本犬やオナガドリも実は天然記念物だったりしますので、天然記念物をペットにすることは珍しいことではありません。
しかし、自然に生息している個体を採取して販売されているという点では珍しい部類になると思われます。
沖縄県や小笠原諸島でのオカヤドカリは特に珍しい存在でもなく、日本に返還される前の沖縄県では人気の釣り餌だったそうです。
そんなオカヤドカリですが一般の人が旅先で捕まえると文化財保護法違反になるので、必ずペットとして販売しているものを購入しなくてはなりません。
国内に生息しているオカヤドカリは以下の6種類。
- オカヤドカリ
- ナキオカヤドカリ
- オオナキオカヤドカリ
- ムラサキオカヤドカリ
- コムラサキオカヤドカリ
- サキシマオカヤドカリ
ペットとして販売されている種類は主に以下の3種類です。
- ムラサキオカヤドカリ
- ナキオカヤドカリ
- オカヤドカリ
オカヤドカリを飼育しよう
ペットショップのほか、スーパーなどの夏休みの自由研究関連品を扱うコーナーで、カブトムシの隣でオカヤドカリが販売されていていることもあります。
値段もカブトムシと変わらないくらいの手頃なもので、砂の上を歩く姿は独特で可愛らしく見る者を楽しませてくれます。
しかし、オカヤドカリは暖かい沖縄を中心に生息する生き物です。適切な温度、湿度管理などが必要になりますので、飼育方法などをよく調べてから購入するべきです。
飼いはじめてから飼育難易度が高く、焦ってしまうことの無いよう注意しましょう。
オカヤドカリの飼育環境
オカヤドカリの飼育は飼育に必要な最低限の飼育環境を整えるところからはじまります。
カブトムシの飼育などに使用するプラスチックの飼育ケースを準備します。
オカヤドカリは木登りが大変得意なので、フタ付きのケースが必要です。
床材はサンゴ砂などザラザラと粒子が粗めの砂を敷いておきます。
オカヤドカリは砂に潜って脱皮を繰り返します。
深さは15cm程度と深めにしておく必要があります。
水場と餌皿などの容器も必要です。
水場は人工海水とカルキ抜き済みの水道水を両方用意してやる必要があります。
海水のミネラルを補給できる「オカヤドカリゼリー」も販売されていますが、長期的な飼育を考えると人工海水を用意したほうが良いでしょう。
餌
餌は何でも食べる雑食。
オカヤドカリ専用の餌も販売されていますが、人間の残り物などでも十分です。
ポップコーンが好きな個体が多いので、餌を食べない場合は一度試すことをおすすめします。
オカヤドカリは警戒心の強い臆病な面がある生き物です。
背負っている貝殻の中に隠れはしますが、それとは別に隠れ家になればとシェルターを設置しておきます。
温度
オカヤドカリの飼育に必要不可欠な温度、湿度管理用品も夏が終わる前に準備します。
爬虫類の飼育用のパネルヒーターなどを使うことができます。
温度、湿度管理の難しい南国の生き物ですので、寒い冬場などは水槽内に設置した温度湿度計を見ながら徹底して管理していきます。
水槽のレイアウトも楽しみのひとつ
オカヤドカリは鑑賞を楽しむペットでもあります。
水槽の中を流木や植物でおしゃれに飾っている方も多いようです。
オカヤドカリ用の遊具のようなものも販売されています。
南国の雰囲気の出るサンゴの置物やオカヤドカリの好物でもあるガジュマルの木などを植えてレイアウトを楽しみます。
オカヤドカリは木登りが上手なので登ったり降りたり楽しそうな様子を観察することができます。
引越し用の貝殻も準備
オカヤドカリも小さいうちはすくすく育ち、すぐに背負っている貝殻のサイズが合わなくなってきます。
そうなる前から引越し用の貝殻を準備しておいてやります。
オカヤドカリの引越しは、引越し用のひとまわり大きな貝殻をいくつか砂の上に置いておくと、自分で好みのものを選び引っ越します。
もちろん海岸で貝殻を拾うこともできますが、オカヤドカリ用におしゃれな貝殻も販売されているので、飼い主としても自分のオカヤドカリに似合いそうな貝殻選ぶのも楽しみのひとつです。
オカヤドカリの命がけの脱皮
オカヤドカリは成長に応じて、脱皮を繰り返します。
小さいうちは年に何度も脱皮をします。
脱皮はオカヤドカリが成長する上で必要な、命がけの大変リスクの高い行為です。
ペットのオカヤドカリの一番多い死因は脱皮の失敗だと考えられています。
成長に応じてオカヤドカリは脱皮のため砂に潜ります。
うまくいけば1週間程度で地上に戻りますが、そのまま砂の中で亡くなってしまうことが多くあります。
体力不足など色々な原因は考えられますが、一度脱皮をはじめたら飼い主は何もしてやることはできず、そっと見守るほかありません。
ちなみにオカヤドカリの飼育環境の寿命は5~10年程度。
自然環境では20年生きるものも存在します。
暖かい地域に生息する、天然記念物オカヤドカリをペットで楽しむためには、温度、湿度管理が必要不可欠です。
人工海水の準備なども必要なので、飼育の難易度は高めのペットと言えるかもしれません。
しっかりと準備して愛嬌たっぷりのオカヤドカリとの生活を楽しみましょう。